BULLJUN / GIRL, WHAT A NIGHT |
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DJ/プロデューサー集団、A.Y.B.Forceの一員であり、'06年秋にリリースされた初のソロ・アルバム『Bulljun & El Barrio 2016』も大きな話題を呼んだ、NY在住のBulljun。ヒップホップ、ファンク、ジャズ、ソウル、ラテン……、多種多様の音楽的要素を彼の住むスパニッシュ・ハーレムという土地のフィルターを通し、一つのブレイクビーツとして完成した『Bulljun & El Barrio 2016』は、決してDJや好事家だけに向けられたものではなく、ダンス・ミュージックというものが全ての人々に対して平等に開かれ、誰もが楽しめる純粋な娯楽であるということを改めて教えてくれる。そんなことは街のそこら中から様々な音楽が流れ、混ざり合うような環境に住むBulljunにとっては当り前のことであり、この第3弾目となるミックスCD『Girl, What A Night』も同様にそんな彼の日常がダイレクトに反映されている。
テンションの高いイントロから繋がれる、名曲“What's Going On”へのカバーによって幕を開けるBulljunのワンナイト・ショウ。トラック・リストを見てもらえば判ると思うが、このミックスCDはレア盤をこれ見よがしに詰め込んだような類いのものではなく、彼が日常の中で手に入れた中古盤から選んだ純粋に良い曲が集められ、さらに誰もが容易に手に入れられるような新譜からも幾つかセレクトされている。こんな選曲こそが、ミックスCD(というよりもミックス・テープ)の本来の姿であることに気付く人も少なからずいると思うが、そこにはしっかりとしたBulljunの色が出ているし、彼でなければやはりこのトラック・リストの並びはありえない。そして、選曲だけでなく、彼のミックスのテクニックも決して一筋縄ではいかない。時折見せるアグレッシブな流れに驚かされるし、筆者自身が昨年、LAのクラブで初めて経験した彼の凄まじいDJプレイを思い出して、思わずニヤリとしてしまう。
Bulljunのサウンドに対するセンスが一つのグルーヴとなって完成している『Girl, What A Night』。もし、このミックスCDを気に入ったならば、是非NYに足を踏み入れ、彼のDJを直に経験してほしい。そこには間違いなく新たな音の世界が広がっている。
(音楽ライター:大前 至)